福島の復興を学び応援する取組・プロジェクト

岡山県内の学校等で、福島の現状や復興の様子を学びながら、情報発信し福島をPRする活動を行います。具体的には、学園祭や地域イベント、あるいは、オリジナルな活動の中で、福島の「今」を取り上げて、また福島の皆様方と遠方で関わりながら、福島の魅力や元気に頑張る人たちを紹介するなど、福島の復興を応援する活動を実施します。ここではその活動を紹介するととともに、活動に関わった学生さんなどの声も紹介します

玉野商業高等学校報道部の皆様の取組

岡山県の玉野市立玉野商業高等学校の報道部12名の皆様が10月8日・9日と開催された文化祭(唯心祭)で、「福島の今」と題して、福島の現状や復興の様子を学びながら、福島の魅力を取り上げたポスターやマップ、復興の様子の写真などを展示・発表しました。以下はその時の様子と、参加した学生の皆様の声です。(写真画像はクリックすると大きくなります)

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報道部の学生の皆様の声

3年A組2番 伊東泰成さん

文化祭で福島について調べて、原発事故の時に出た、放射線量の値が岡山と比べてまったく違うことにも驚きました。また福島では(今でも)朝や夕方のニュースでマイクロシーベルトの値を報道していることにも驚きました。そして、今の現状について、(岡山では)最近ではニュースでも見なくなってきていたので、復興も順調に進んでいるのだと思っていました。しかし、まだ仮設住宅で暮らしている人も多く、瓦礫はなくなっているが、家の建築が追いつかない状況であることもはじめて知りました。早く元通りの生活が送れるようになってほしいと思いました。
福島について興味を持ったことは果物です。特に桃は、岡山でも有名ですが、福島県の売上のほうが上位だということにも驚きました。送っていただいた福島の桃は岡山の桃と違いましたがとても美味しかったです。ありがとうございました。
復興に向けてまだまだ大変だと思いますが、遠く岡山から応援したいと思います。復興の取り組みは大変です。時にはゆっくり休みながらがんばってほしいと思います。
今後、取り組んでみたいとこは、現地に行くことです。観光で行くのではなく、現状を直に見てみたいです。報道や人から聞いた情報ではなく、自分の目で今の福島を見て、これからどうしていくべきなのかを考えたいと思いました。今回は報道部の展示のためにたくさんの資料をありがとうございました。

3年D組11番 寶田勇一さん

今まで福島についてあまり知らなかったし、積極的に考えようと思ったこともありませんでした。しかし、今回の展示を通して、福島のいろいろなことを知ることができました。B級グルメや赤べこなどの特産品、また震災が起こる前と後の産業の状況など、今まで気にしたこともなかったことを、改めて考えるようになりました。新設住宅がたくさん建ってきていますが、まだちゃんと住宅で生活できていない人たちがいることも、資料を読んで知りました。一日も早く元の福島に戻ってほしいと思いました。

3年D組2番 井筒隆太さん

福島県の現在の様子をみて感じたことは、あれから3年経っているのに、いまだに復興か進んでおらず、野原が続いているところもあり、いったい何年経ったら復興できるのかと思いました。でも、少しずつでも着々と進んでいることもわかりました。
福島県はフルーツ王国とも言われています。実際に福島県産の桃を食べてみたところ、桃自体は初めて食べましたが、すごく甘みがあって美味しかったです。実際、僕はりんごとみかんが好きなので、福島産のほかのフルーツも食べてみたいと思うようになりました。
今後取り組んでみたいことは「安心・安全福島県」をPRすることです。なぜなら今でも福島県は危ないと思っている人たちに安心で安全ですよということを伝えていけば、他見の人たちも良い印象を持ってくれると思ったからです。
復興には時間がかかりますが、あきらめなければきっと良いことがあると思います。それまでがんばって下さい。私たちも応援します。

2年A組2番 石田直希さん

震災から約3年半が過ぎました。そちらの状態はどうでしょうか?家を流されて仮設住宅で暮らしている人、お店を流されてお店をやめた人、再建した人、家族をなくした人。さまざまな人がいると思います。あと何年で福島の地が復活するのかわかりませんが、応援していきますので頑張ってください。  文化祭で福島県のことを展示してみて、まだ放射線や瓦礫で困っていることを知って、「どれだけ国の対応が遅いんだ」と思いました。3年半も経っているのにまだ仮設住宅で暮らす人がいるなんて遅すぎます。福島県が復活するまでずっと応援していきます。がんばれ、福島!

2年A組25番 谷口沙織さん

文化祭で福島県のPRについて、まとめて大きな紙に色とりどりのペンやテープ、写真を使って観てもらう人にわかりやすくPR班として先輩方と協力して取り組みました。私はPR班に参加してみて、福島県の市町村で有名な物や工芸品、食べ物、B級グルメなどを資料や各自パソコンを使って調べ、重要な情報があれば印刷して展示物を作る作業をしました。
福島県の桃を実際にいただいて食べましたが、岡山県の桃と食感や見た目の色も違い、味はとても甘く、歯ごたえが良くて今まで食べたことがないくらい美味しい桃で感動しました!この美味しい桃が福島県で日常的に安く販売されているのを資料で知り、とてもうらやましいなと思いました。だから来年になっても、学校の文化祭で福島県のまだまだ紹介されていない食べ物や工芸品、そして地域の方々が愛してやまない地域ならではの食べ物などもぜひ調べて報道部として展示したいと思いました。今年の文化祭よりもさらに良い展示ができるようにがんばりますので、そのときはどうぞよろしくお願いいたします。

2年B組12番 玉木涼太さん

3年経った今でもあまり復興が進んでいない状況を知りました。僕が一番に伝えたいことは、福島県の食べ物の美味しさです。福島産の桃をいただきましたが、とても美味しくて、岡山の桃とは違いますが、ハマる味と食感でした。最高の桃でした!

2年D組4番 香川大智さん

3.11があったときに、テレビを見てびっくりしました。その内容は福島のことでした。そのとき思ったことは「残酷」としか思いようがありませんでした。でもしばらく見ているうちになにか自分でもできることはないかと思いました。その一週間後に募金箱を見つけて、その日から小銭がたまったら少しだけど募金をしてきました。募金した額は少ないけれど少しでも協力したいと思ったからです。
3.11が起こってから3年近く経ちますが、テレビで見た福島はだいぶ変わっていて少しほっとしました。最後になりますが、地震、津波や原発事故の影響などまだ残っていると思いますが頑張ってください!自分も募金箱を見つけたらこれからも募金を続けていきます。

1年D組26番 川崎友貴さん

文化祭で福島について学んだ中で、地震や原発事故から3年たった今でも放射能が出ているらしく、すごく地震や津波で苦しんだ今でも、震災の影響があることがわかりました。また完全に福島が復興していないことを悲しく思いました。
福島で興味関心をもったところは桃です。報道部で福島の桃をいただいたときに、すごくジューシーで美味しかったです。桃を使ったプリンもあると知り食べてみたいと思いました。
3年経った今でも仮設住宅で暮らしている人がたくさんいて、前の生活に戻れていない事実を知ったときには、びっくりしました。自分たちは普通に安全な場所、自分の部屋で暮らしていることがいかに幸せなことかわかりまいた。そしていまだ行方不明の人も、そのまま時が過ぎていることがすごくつらくて悲しいことだと思うし、いろんなものをこの震災で失った人もいると思うので、すごくつらいと思いますが、この状況に耐えてがんばってほしいと思います。

1年D組25番 角川綾歌さん

私は福島のMAPを作りました。ネットで福島のことを調べていると死者数の多さにびっくりしました。岡山に住んでいる私は福島のことをあまり知らなかったのですが、桃が有名なことや漁業が盛んなことがわかりました。福島県は漁業が盛んだったので津波がきてとても打撃を受けたと思いました。ネットで復興してきている記事など見てすごいなぁと思いました。でもまだ復興できていないところもあるので、少しでも早く復興してほしいと思います。報道部で何か力になれることを考えて応援していきたいです。

1年D組32番 田中愛彩果さん

私は、今回、福島県に関して以前よりも詳しく学び、復興の様子や皆さんの取り組みについて知り、簡単にできることではないけれど、現在でもまだ設備が進んでいないところがまだあると知ったので、復興してほしいと本当に思いました。
また、福島県は果実、全国有数の産地で、中でも福島県の桃は収穫量が全国の中でも1番で、いただいた桃を私も実際に食べてみてすごく美味しかったです。もっと福島県の特産品を食べたいなと思いました。私は今回の活動を通じてもっと役に立ちたいと思いました。

1年D組20番 山本 新さん

MAPをもっと具体的なものにするべきだったと思いました。放射線量について調べるチームともっと協力できればよかったと思いました。福島の展示について、まだ皆が関心をもったわけではないと思うので、皆がもてるような展示にしたいと思いました。

1年D組35番 橋本佳奈さん

ランチミーティングで食べさせていただいた桃がすごく印象に残っています。岡山の桃は薄いピンク色で福島の桃は赤色で歯ごたえがあり印象的でした。ほかにも福島ならではの食べ物を食べたいと思いました。福島の写真を見て、復興がまだまだなことがわかりました。今後もたくさんの人に伝えていきたいと思いました。

先生方の声

玉野市立玉野商業高等学校 報道部顧問:教諭 福島真輔先生(教科:理科)

ご提供いただく情報をもとに、佐藤先生から「文化祭で福島についての展示をしてみては?」と投げかけがありました。今も様々な自然災害が日本の至る所で発生し、大きく取り上げられる中で、福島で起こった津波や原発事故での被災が風化していくことに気付かされました。私自身も、福島の今の復興の状況や福島県がどのような県か知らないことが多く、おそらく多くの生徒も知らないと思われました。さまざまな画像や動画、データなどがいただけると知り、部としても文化祭の展示として「福島の今」を知ってもらおうと、取り組むことになりました。
生徒は、調べを進めていくうちに強い興味を持ち始め、特に特産物などで、岡山にはないもの、名前だけでは何かわからないものなどをインターネットで調べて画像をプリントアウトして展示に加えるなど、生き生きと取り組んでいました。私自身も実は、東北地方だけは未だ行ったことがなく、福島のことも今回の展示で多くのことを知りました。豊かなフルーツや海産物、米、酒・・・。とても魅力を感じました。福島の復興の現状とともに、そういった福島の魅力(観光地なども)を伝えることができればと思います。大量に様々な資料をいただきながら、顧問の指導力不足と準備期間の不足により、ご期待に応えるものにはほど遠いものになってしまい、申し訳ございませんでした。ただ、部員にとっては、この機会がなければ知る機会のない多くのことを知り、学び、感じたことと思います。大変ありがとうございました。

玉野市立玉野商業高等学校 教諭 佐藤伸治先生(教科:商業)

良くも悪くも、人間は(自分も含めて)忘れる生き物です。3.11後、福島に関する情報も、積極的に知ろうとしないかぎり、岡山に住んでいる私たちの目や耳には届かない状況にあると感じていました。被災した福島についても、どこか遠いところのお話で、他人事のように考えているのではないかとも感じていました。地震大国の日本では誰もが自分のみに置き換えて考えなければならないことだと思っています。子供たちや私たち大人も、日々の生活の中で福島について話をすることが減っています。そこで福島を風化させないために、報道部を通じて福島の今を伝える展示に取り組みました。
報道部は昨年まで同好会として少人数での活動をおこなっていましたが、部活動に昇格しました。部員は知的好奇心が旺盛な生徒が多く、提供していただいた福島に関するデータについても熱心に読みこんでいました。顧問の福島先生を通じて活動をしていただきましたが、学校祭までの日数も少なく、当初思い描いていた展示とはほど遠いものとなりました。しかし、休日も返上してグループごとにテーマを設定して活動する姿は、けっして上から与えられて受動的に取り組む姿ではなく、自分たちの意思で積極的に取り組んでいる姿でした。
生徒たちの活動や展示物を通じて、福島を身近に感じることができました。私自身、まだ福島県を訪れたことがありませんが、この目で震災後の福島を見たいと強く感じています。本校の学校祭では、毎年2年生のクラスは展示をおこなうことになっています。報道部をきっかけに巻いた種が、来年度のクラス展示に広がっていくのではないかと期待しています。そして商業高校である本校は商品開発にも取り組んでいます。いずれ福島県と岡山県のコラボ企画商品などもできればと夢が膨らみます。